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お酒は20歳からさん (7grzbny8)2020/4/23 04:24 (No.40160)削除『 う ぉ お お お お あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!!!!! 』(痛てぇ。…痛てェよ。なんでこんなに痛いんだろうな。俺がお前の手を取らなかったから??俺がもっとお前の声に耳を傾けさえしていれば良かった??……嗚呼、何もかも手遅れだ。この《傷》だけは修復不可能なんだ。だって何もかも不毛だから。かたや優しさ、愛、絆そういったものの存在を否定してまで、彼女の信じたがっているものを否定してまで救おうとするもの。かたや家族からの救いの手や声を無視して、キミの努力や思いまでも無視して耳を傾けなかったもの。……砂漠に鉄くずを植えたって、木の1本も生えやしない。)「……………………ごめんな。…埜乃。」(氷の礫が爆風に乗って襲い狂う中、彼女は氷の床のレールの上を服で作った即席のソリで滑走し、ひしゃげたスコップでその礫を幾らか弾いていたであろう。しかし、スコップの面積的にも礫が襲いかかる速度的にも彼女が礫を防ぐ数より、被弾する礫の方が明らかに多く、ゴーグルは片目の方が遂に割れて、最低限の衣服しか身にまとっていない素肌は礫によって細かい傷を無数につけられ、幾つかはきっと彼女の体や腕に突き刺さりもした筈だ。─────しかし、彼女がちから尽きることはなかった。そもそもきっとキミは彼女を〝痛めつけるつもりはなかった〟のだろう?そうでなければ、無言で一撃で気絶を狙うような攻撃をしかも素手でやることもないし、体育館を氷漬けにする際に殺す〝つもり〟なんて情けをみせたりしない。それにこの攻撃だって避けてしまえばそれで終わるのに、キミは敢えて迎撃を選んだ。……それだけでもうこの喧嘩の結果は見えていたのだ。いや、最早こんなもの喧嘩とは呼べないだろう。在るのは互いの〝我儘〟と〝幸せになってほしいという願い〟今回は……いや、今回も〝また〟姉の勝手な我儘の方がキミにより上回ったのかもしれない。……何故なら、襲い狂う氷の礫の中を潜り抜け、遂にキミにスコップで殴打を振るうことが出来たのだから。…と言っても、彼女もやはり甘いのだ。殴る時はそこそこに加減して、かつスコップの持ち手部分でキミを殴打しようとするのだから。すれ違いざまに彼女はそう呟くだろう。そう言って許される筈もない。これもまた彼女のただの我儘だ。お前ばかりいつも我慢させてばかりで本当に……本当にすまないと思っているよ。……でも、だからこそ。ありがとう。〝お姉ちゃんはお前のお陰でこうしていつも幸せでいられる〟)