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るなさん (7hrxk6w7)2020/4/19 10:05 (No.39822)削除あもるへ
(ひとりじゃない。海の底に沈んで、1人で膝を抱えて、そこにあなたが降りてきた。名前を呼んで、ここにいるよと寄り添ってくれた。それは真っ直ぐに差し込んだ光みたいに。お日様みたいに暖かくて、お月様みたいに優しい。だからもう、1人じゃない。___ハリネズミのジレンマ。人は近づきすぎたらお互いを傷つけ合ってしまう。けれども貴方は私の針など厭わずに、その柔らかくて優しい友情だけで私を抱きしめてくれる。それがどれだけ幸せなことか、)□(こぽり、息をした。長らく止めていたそれを吐き出して、苦しいことに気がついたように。貴方に手を伸ばして、一緒に引き上げてもらおうと、ここは苦しいからどこか違う場所に連れて行ってくれるだろうか。)
(『よく頑張った』……その言葉が、欲しかった。…のかもしれない。自覚はない、人を助けることでなにか見返りが欲しかった訳では無い。でも、私が頑張ってきたそれを認めてくれて、頭を撫でて貰えたのは………いつ以来だろう。貴方の言葉にコクコクと何度も頷く。泣いてばかりいるから声が出ない。貴方に抱き寄せられた肩が震える。背中に手を回して、きつく抱きしめて、ぎゅっと服を握る。)
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<深度7→6>
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(親がどうして死んだのか、それは私のせいだ。……あぁ、確かにそうだ、でもそれだけじゃない。貴方に気付かされた。それは、"生きて、幸せになって欲しかった"からだ。たった今の今まで、与えられていた愛と幸せに気が付かなかった。真っ暗闇で何も見えなかったから。でも、そこにあるよとあなたが教えてくれたから。……もう大丈夫、この罪と苦しさは忘れない。でも、前に進む。この苦しみが、いつか誰かを救う時に役に立てばいい。私が愛された分誰かを愛せばいい。私が受けた願いといのりを、無駄にしてしまわぬように。他の誰かにもおすそ分けしなきゃ行けない。)
「ありがと、アモル」
(それを、まずは貴方にも。___いつもあなたに救われてばかり、少女は涙ぐんだままの顔を上げて、へにゃりと子供らしく笑う。今度は私も、貴方を。あなたが困っていたら真っ先に助けてしまおう、あなたに求められたから?違う、私がそうしたいから。めいいっぱい幸福を願う、傍に寄り添い続ける。白昼夢が_____アウフヘーベンが、この手を離れるその時まで。…その後も。)
<深度6→5>